100年に1度ともいわれる経済状況の中、印刷業界においても厳しい状況が続いています。 弊社の技術や設備・ノウハウを生かし社内生産出来る商品分野の1つに美術印刷があり、この分野を伸ばすため3年前から改めて取り組みの強化をはじめました。 今や世の中はデジタル時代と呼ばれハイビジョンテレビ、パソコン、カラープリンター、デジタルカメラなどの急速な普及により、日常生活の中でRGB(光の3原色)で色表現されているものが多く見受けられるようになりました。
印刷の色表現でも「より綺麗な」「より鮮やかな」「より自然な」などの要望が高まり、これに応えることが弊社としての、美術印刷分野を中心とした技術開発の一つの方向と考えています。
通常のカラー印刷における基本4色(CMYK)による色再現は、元々の色(RGB)を圧縮・変換して再現しているため、オリジナルに忠実な色が出にくい欠点がありました。 この4色(CMYK)で再現出来なかった色域であるオレンジ(O)、グリーン(G)の2色を加え(CMYKOGの6色)、製版方式もFMスクリーンとの組合せにより、RGB表現に近い素晴らしい色表現が可能な「6色高品位印刷」が誕生しました。
「商品と同様の色にしたい」「自然の風景そのものの色を出したい」「絵画(原画)そのものの色にもっと近づけたい」との要望をお持ちの、これまでの4色印刷の色域に充分満足されていなかった既存のお客様、新規のお客様などにこの印刷技術をご紹介することで、パンフレットやカタログなど、いわゆる販促物の実績が出来てまいりました。
次は是非「6色高品位印刷」としての作品となるようなものを手掛けたいと思っていたところ、大手出版会社様より版画集 「京都百景」の引合いがありました。版画というのは特色の20~25度刷の摺り重ねであり、通常の4色刷では色域が十分表現出来にくかったことから、私共のお勧めする「6色高品位印刷」をご採用頂くこととなりました。
製作過程において色校正をお出しし、井堂雅夫先生ご本人にも校正頂けましたが4色印刷との違いに驚かれ、またその素晴らしさを十分ご理解・ご評価頂きました。 ここに弊社「6色高品位印刷」の代表作品ともいえる版画集 平成版浮世絵「京都百景」が完成いたしました。
完成にあたり顧客の皆様をはじめ、ご尽力を賜りました皆様に心からお礼申上げます。