皆さんは「信書」の定義をご存じでしょうか?
ダイレクトメール制作にあたって、自分が送っているDMが「信書」かどうかは必ず確認しておくべきことです。
なぜなら、信書の取り扱いに関しては郵便法で定められており、法律で定められた特定のサービスで送らなければ違法になってしまうからです。
高度なコンプライアンス経営が求められる時代において、知らない間に郵便法違反とならないよう、この記事で気を付けるべき事項をお伝えします。
信書とは
信書とは、法律の定義の上では「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と書かれています。
あまりわかりやすい文章ではないので、かみ砕いてみましょう。
「特定の受取人」とは、その文章を差し出した側が、受け取る側を特定しているかどうか、ということです。
個人や法人、団体、組合、会員など、受け取る側の個人名や組織名が文章の中に記載されていれば、「特定の受取人」ということになります。つまり、「●●様」や「●●社御中」「●●会 会員様」などが受取先として書かれていれば、基本的には信書になります。
「差出人の意思を表示し、又は事実を通知する」とは、差し出した側が自分の考え(例:『当社の商品をご愛顧くださりありがとうございます』など)や事実(例:『●●様が当サービスの会員となられて5年目です』など)を伝えることです。
「文書」は、CD・DVD・USBメモリなどに電子データとして記載されたもの以外の、紙・その他印刷物に載せられた情報を指します。
では、信書扱いになる文書とは、具体的にどのようなものでしょうか。
信書扱いになる書類
以下のような書類は信書として扱われます。
書状
「特定の受取人」をターゲットとした手紙やはがきは信書です。
請求書
納品書、領収書、見積書、願書、申込書、依頼書、契約書……といった請求書類は信書です。
許可書
免許証、認定証、表彰状などの許可証類は信書です。
会議招集通知
株主総会の通知、結婚式や葬儀の招待状などは信書です。
証明証
印鑑証明書、納税証明書、戸籍謄本、住民票やそのコピーなどは信書です。
ダイレクトメール
受取人の名前が記載されていたり、利用関係(商品の購入・利用歴など)や契約関係(会員や取引先企業など)といった、特定の受取人に差し出す趣旨が明らかなダイレクトメールは信書です。
ちなみに、会社内の他部署宛の書類も、「特定の受取人」に対して「差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」であるため、信書扱いになります。会社の書類を支社や別部署などに送る場合、郵便法違反にならないよう注意しましょう。
信書扱いにならない書類
以下のような書類は、信書扱いされません。
特定の受取人宛でない書類
新聞や雑誌、書籍、カレンダー、手帳、会誌など、特定の受取人に宛てて作ったものでない書類は信書ではありません。
カタログ
通販用カタログなど、カタログ類は信書ではありません。
小切手
手形や株券など小切手類は信書ではありません。
プリペイドカード
図書券、商品券、ギフトカードなどは信書ではありません。
乗車券
航空券や定期券など、乗車券類は信書ではありません。
クレジットカード
キャッシュカードなどのクレジットカード類は信書ではありません。
会員カード
入会証やポイントカード、マイレージカードなどの会員カード類は信書ではありません。
ポスティング・折込チラシ・パンフレット・リーフレット
個人宛でない、ポスティングや折込チラシは信書ではありません。また、本来店頭に置くパンフレットやリーフレットも信書ではありません。
その他
各種説明書、求人票、配送伝票、名刺、振込用紙、パスポート、出勤簿、ナンバープレートなどは信書ではありません。
状況によって信書になったりならなかったりする書類もあります。
例えば、個人が、履歴書を会社宛てに送る場合、信書扱いになりますが、
逆に選考後、企業側から応募者に履歴書を単体で返送する場合、何かを通知するものではないので、返送した履歴書は信書ではありません。
信書の送り方
すでに書いたように、信書には決まった送り方があります。送るものの大きさや重さ、予算によって上手に使い分けましょう。基本的には日本郵便が提供する、信書送付が可能なサービスであれば、郵便法違反にならず信書を送ることができます。
定形郵便物
最大で縦23.5cmx横12cmx厚さ1cm、最小で縦14cmx横9cmまでのサイズの郵便物は定形郵便として扱われます。重量が25g以内であれば84円、25gより重く50g以内であれば94円で送付することができます(2022年3月現在)。
定形外郵便物
定形郵便のサイズを超えたものは、定形外郵便で送る必要があります。定形外郵便物については、こちらのページをご参考ください。
レターパック
郵便局発行のA4サイズ封筒に送りたい信書を封入し、ポストに入れるか郵便局へ持ち込むのがレターパックです。対面で直接届けてくれるレターパックプラスと、郵便受けに投函されるレターパックライトの2種類があります。追跡サービスや日・祝配達サービスもあり、全国料金が一律といった利点があります。
スマートレター
A5サイズ・1kgまで全国一律料金で、信書も送ることができるサービスがスマートレターです。全国の郵便局、コンビニエンスストア等切手類販売所で専用封筒を買い、宛名を書いて投函するだけで、切手不要で送付することができます。ただし、速達等のオプションサービスや、追跡サービス、日・祝配達サービスなどはないため、注意が必要です。
信書を送れないサービス
日本郵便が提供しているサービスでも、信書が送れないサービスはあります。「ゆうパック」「ゆうメール」「ゆうパケット」「クリックポスト」など、信書不可と書かれているサービスで間違って信書を送らないように気を付けましょう。
うちのDMは信書なん?と思ったら、土山印刷にご相談ください。
信書の問題は、定義が文書の内容によって変わってしまうため、判断が難しいという所にあります。コラムでも書いたように、例えば履歴書などは状況によって信書か信書でないか変わってしまうなど、専門的な知識がなければ間違いかねない、引っかかるようなポイントがいくつも存在します。
自社の印刷物が信書か信書でないか不安になったなら、土山印刷にぜひともご相談ください。企画段階から印刷・販促施策をサポートするため、信書でない書類を信書として送付することで無駄なコストをかけたり、逆に信書を正しくないサービスで送って郵便法に抵触することを防げます。
その他、ダイレクトメール全般についても、ぜひともお気軽にお問い合わせください。
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