「コンテンツマーケティング」という言葉を聞いたことがありますか? 実は、営業活動を円滑に進めるためには、コンテンツマーケティングが必要なんです。この記事では、企業がコンテンツマーケティングに取り組むべき理由と失敗しないコツ、コンテンツマーケティングに役立つツール、今すぐ始められるファーストステップなどをご紹介いたします。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、自社の商品を好みそうな相手をターゲットとしたさまざまなコンテンツを作って公開し、それにひきつけられた相手を見込み客として、長期的な関係を築くというものです。
これまでと違いお客様にこちらからアプローチをかけていくのではなく、コンテンツによって自社に興味を持ってもらうというところをスタート地点とするため、自然に営業活動を受け入れてもらえ、かつ長期的な営業活動が行えるようになります。
コンテンツマーケティングの流れ
コンテンツマーケティングの流れは以下のようなものです。
1.コンテンツを使い、自社に興味を持ってもらう(発見)
自社のWebサイトやブログ、SNSなどで魅力的な内容の記事をつくり、興味を持ってもらうところがコンテンツマーケティングのスタートラインです。このとき、配信されるコンテンツは、将来的な購入につながるものでないといけません(たとえば、私たちのような印刷/販売促進を商品として扱う会社なら、さまざまな印刷の方法や、マーケティングのやり方についてのコンテンツを配信することになります)。
2.興味・関心を持った顧客に向けて働きかけを行い、見込み客を獲得する(関係構築)
コンテンツをダウンロードしたり、あるいはコンテンツに毎日アクセスしているお客様に、メールマガジンや会員制の情報サイトなどを案内し、登録してもらいます。
3.見込み客との信頼関係を構築し、購入につなげる(行動)
メールマガジンや情報サイトによって定期的な案内を行い、またよりよい情報にアクセスできるようにすることで、見込み客に実際に商品を購入したいと感じてもらい、購入につなげます。
4.商品購入後にも関係を継続して、常連顧客にする(体験と共有)
購入後もアフターサービスを通じてお客様をつなぎとめて、定期的な購入をしてもらいます。
顧客心理に応じた施策を行う
Webサイトにたまたま来ただけなのに、猛烈な勢いで商品を勧められて引いてしまった経験はないでしょうか? あるいは、大変購入したい商品があるのに、Webサイト上に通販へのリンクが見当たらず、結局買うのをやめた経験はないでしょうか?
そうしたことが起こるのは、顧客心理に応じた施策を行えていないからです。コンテンツマーケティングで重要なのは、顧客が自社のコンテンツに軽く興味を持っただけの潜在客なのか、それとも商品を買いたいとすでに思っている顕在客なのか、その間の見込み客なのかを顧客の行動からチェックして、それに応じた施策を行うことです。
例えば、自社のコンテンツに頻繁にアクセスしており、その中でも特定の商品のページを定期的に見ている方と、自社のコンテンツを回遊して、いろいろと見て回っている方とでは、アプローチの方法が変わってくるはずです。
このアプローチ次第で、成約率は大きく変わってきます。
中小企業がコンテンツマーケティングに取り組むべき理由
コンテンツマーケティングは大企業でも効果的ですが、どちらかといえばマーケティングにコストを大量投入できない中小企業で効果を発揮する施策です。
事実、当社は2017年から本格的にブログやSNSを中心としたコンテンツマーケティングを行っていますが、5年間でお客様からの問い合わせ数が24倍※に増加しています。(※2021年着地予測値比)
では、中小企業こそコンテンツマーケティングに取り組んだほうがいい理由を説明していきましょう。
低コストで取り組める
コンテンツを作るには、「書き手」と「場」があれば事足ります。「書き手」については社員の中に書ける人がいればそれで十分ですし、いなくてもライターを外注するコストはさほど大きくはありません。「場」は自社のWebサイトがあればそれで事足りますし、自社Webサイトがコンテンツ掲載に向いていないと感じたとしても、ブログサービスなどを始めるのは安く、簡単です。
長期的に続け、より効果的な施策を打つためにはそれなりに有料のツールを使う必要も出てきますが、最初は無料・安価なツールでも十分です。
そのため、広告にコストをかけられない中小企業でも、始めるのは難しくありません。
コンテンツを資産として蓄積できる
自社のコンテンツは消してしまわない限り残り続けます。魅力的な内容であれば、検索サイトの上位に残り続けて、見込み客を呼び込み続けられますし、長期間情報発信を続ければそれだけ多くの人々を惹きつけることができます。
ブランディング効果が見込める
自社の専門分野について情報発信を続けることによって「疑問があればあの会社のサイトを見れば解決する」という印象を与えることができれば、信頼関係を築き上げられ、それがそのまま自社のブランドとなります。自社のファンを作ることができる
効率的に集客できる
会社の営業マン以上に「認知度を上げる」という部分ではコンテンツマーケティングは強い力を持ちます。
企業一社に対してアポイントをとることは簡単ではありませんが、コンテンツを継続的に提供していれば、数万人に対して働きかける事ができます。また、コンテンツに惹かれた人々は、売り込みされて受動的に興味を持ったのでなく、コンテンツによって能動的に商品を知ったため、商品購入にいたる可能性が高いというのも利点です。
コンテンツマーケティングに必要なスキル・ノウハウ
では、実際にコンテンツマーケティングを行うとき、必要なスキルやノウハウについて説明していきます。
Webの知識(SEO、要件定義など)
コンテンツマーケティングはWebサイトを中心に行うマーケティング施策です。ゆえに、ある程度のWebについての知識がなければいけません。ページのアクセス数や顧客情報を得るためにはWebサイトにいくつかのツールを埋め込むなどの方法をとらなければなりませんし、Google検索の上位に自社のサイトが出るようにするには検索エンジン最適化(SEO)の知識が必要になってきます。
マーケティング力(企画力や分析、構想力)
コンテンツを作るためには、前提として魅力的で、かつ商品の購入につながる企画が必要です。そのためには自社が顧客としたいターゲットがどんな記事に興味を持つのかをきちんと分析する必要があります。また、最終的にお客様を商品購入につなげる記事を出す構想力がなければ、あまり効果的な販促につながりません。
コミュニケーション能力
コンテンツマーケティングはあくまでも見込み客を作り出すことが役割です。最終的に契約を成功させるのは、お客様とお話しする各営業担当者です。なので、成約率を向上させるためには、コンテンツマーケティングの担当者と営業担当者の間に密なコミュニケーションが必要になります。
また、コンテンツマーケティングは体育会系の上意下達型組織では、一部の人の思想や考え方がコンテンツに反映され、世間のニーズとマッチしなくなるリスクが高まります。コンテンツを出し続けるためには世代や役職(肩書)に限らず、関係者全員がどんどんアイデアを出せるような、ある程度打ち解けた場が必要です。上司と部下の間でできるだけフラットに、アイデアを出し合える空気があって初めてコンテンツマーケティングはうまくいきますので、チャットツールやアイデアボードなどを利用して、「アイデアを出せる場づくり」を意識して作りましょう。
好奇心!
コンテンツマーケティングの問題の一つが「提供するネタ(コンテンツ)が底をつく」ことです。面白いアイデアには限界がありますし、それを商品の購入につなげないといけません。さらに、ある程度の数のコンテンツをウェブサイトにそろえなければ、集客力が上がらないため、こまめにコンテンツを追加する必要があります。
なのでコンテンツマーケティングを継続するためには、担当する方自身が面白いと思うこと、お客様に役立てそうなことを常に探し続けられる好奇心が重要です。
コンテンツマーケティングで失敗しないコツ
コンテンツマーケティングをうまく成功させるには、それなりにコツが必要になります。
継続的に取り組める目標設計をする
コンテンツマーケティングはとにかく長い目で見る必要がある販促施策です。すぐには結果につながりませんし、長期的に根気強くコンテンツを供給し続ける必要があります。かといって、数を作るためにコンテンツの質を落とせば、見込み客は得られません。
短距離走ではなくマラソンのような販促施策だからこそ、ペースを一定に保てるような目標を立てる必要があります。無理をせず、長期間こまめに更新を続けていくことがベストです。もし、担当者一人でコンテンツを出している場合、週1回程度の更新を目安に続けることを目標にし、慣れてきたら2~3日に1度(月10~15本程度)の更新を目標にしましょう。そうすると年間で100本以上のコンテンツが生まれるため、確実にコンテンツマーケティングとしての成果(PV数増加や問い合わせ数の増加)が表れてくるはずです。
コンテンツに関して、外部からフィードバックを受ける
コンテンツは最終的にお客様、つまり会社の外の方に見せるものです。したがって、外部の目があるとないとでは、コンテンツの出来不出来が変わってきます。すべてのコンテンツで外部のアドバイスを求めることが難しいとしても、定期的にコンテンツを外部の方に見てもらい、内容の良し悪しや方向性についてアドバイスを求めるのが良いでしょう。コンテンツライティングなどに長けた企業にチェックを依頼する、定期的にアンケートをとるなどの方法で自社のコンテンツについて外部からの客観的な評価を受けることが大事です。
マーケティングについて学べる場を用意する
マーケティングとはなんぞや、ということがある程度分かっていないと、コンテンツマーケティングはスムーズに進みません。また、コンテンツマーケティング担当者だけではなく営業担当者もマーケティングのありようについて把握しておかなければ、販売促進活動はうまく行きません。そのため、営業担当者とコンテンツマーケティング担当者の双方がマーケティングを勉強する場を用意しましょう。書籍を使った勉強会、あるいは無料開催のオンラインセミナーなどを利用して、きちんと知識の基礎を作っておくことが後々の販促施策や営業活動で生きてきます。また、対面営業の担当者とは必ずお互いの認識をすり合わせて、お客様の要望を拾い上げられるようにしましょう。
色々な人を巻き込んで進める
コンテンツマーケティングは中期~長期的に行うものであり、そのためには営業部門だけでなく経営部門や製造部門・間接部門などすべての部門からの理解が必要です。また、商品の製造工程についてのちょっとしたうんちくや経営幹部による将来ビジョンなども良いコンテンツになりますので、そうした方を巻き込んでコンテンツマーケティングを行っていくことが成功につながります。
ツールの導入も検討する
継続してコンテンツマーケティングを行うときには専用のツールがあったほうがよいでしょう。ツールの詳細については後述しますが、定量的なデータがあるとないとではやはりコンテンツマーケティングの効果が大きく変わってきます。
今から取り組めるコンテンツマーケティングのファーストステップ
それでは、コンテンツマーケティングを行うにあたってまず何をすればいいかをお伝えいたします。
企業SNSアカウントを作る
FacebookやTwitterなどのSNSに企業アカウントを作るのは、コンテンツマーケティングの一歩目といえます。まずはSNSにコンテンツを載せ、そこからコンテンツマーケティングを始めましょう。基本的にSNSのアカウントは無料で発行できますので、最も簡単なコンテンツマーケティング施策とも言えます。
オウンドメディア立ち上げ費用を調べる
続いてやるべきこととしては、オウンドメディアの立ち上げです。SNSだけではどうしても機能的に限界がありますし、薄い関係を幅広く築く形になりがちです。自社でコンテンツを提供する場が用意できれば、長期的にお客様をサイトに呼ぶことができます。オウンドメディアの立ち上げ費用を調べておきましょう。
コンテンツマーケティングのビジョンを創る
コンテンツマーケティングはすでに申し上げた通り非常に気の長い営業活動です。短期的な利益ではなく、長期的なビジョンを持ってコンテンツマーケティングを行う必要があります。最終的にコンテンツマーケティングで何をしたいのか、明確なビジョンをコンテンツマーケティング担当者と経営陣の間で共通認識にしておくのがよいでしょう。コンテンツマーケティングをサービスとして提供している企業に相談するのもひとつの手ですが、実際にコンテンツマーケティングを実施している企業に相談するのも有効です。
コンテンツマーケティングに役立つツールご紹介
では、コンテンツマーケティングで具体的にどのようなツールを使えばいいのかを紹介していきます。
ツールの導入を検討する時に注意したいこと
ツールはコンテンツマーケティングの道具であり、ツールだけで何もかも解決できるわけではありません。ツールを使った結果どのようなことができ、それによって自社のマーケティング活動をどのように変化させられるのか、その結果として得られるものは何かを考えて導入することが重要です。
また、一つのツールだけですべてを解決することはできません。コンテンツマーケティングごとに、どのツールが最適なのかを考えて選択することが大切です。
マーケティングオートメーション(MA)ツール
MAツールとは、Webサイトや顧客リスト、メールマガジンなどと連携して、自社の顧客がどの程度自社の商品やサービスに興味を持っているのかを視覚化するツールです。自社のコンテンツにアクセスした方のうち、見込み客になりそうなのは誰なのかを簡単にチェックすることが可能であり、コンテンツマーケティングには必須のツールの一つです。
・ListFinder
国内シェアNo.1のBtoB事業向けMAツールです。
https://promote.list-finder.jp/
・SATORI
自社サイトにアクセスしたものの問い合わせなどを行っていない方の情報を収集し、見込み客に変える機能が特長のMAツールです。
・Market
世界的5000社以上で利用されている、国際的なMAツールです。
営業支援・営業管理(SFA/CRM)ツール
SFA/CRMツールとは名前通り営業活動を見える化し、個々の営業担当者が抱えている案件の数、契約の成約率や顧客訪問回数、日報などをより正確に数値にして管理できるようにするツールです。
・Salesforce
世界でもっともシェアされているSFAツールです。Pardotという自社のMAツールとの連携機能が最大の特徴です。
https://www.salesforce.com/jp/
・eセールスマネージャー
日本企業の営業活動専用にカスタマイズされたSFAツールであり、国内では最もシェアされています。
・kintone
内蔵するアプリケーションを組み合わせて、企業ごとに自由に内容をカスタマイズできる国産の業務改善ツールです。内包しているアプリを組み合わせ、設計することで簡易的なCRM/SFAツールとして利用可能です。
キーワード分析ツール
どのような検索キーワードを打った方が自社のコンテンツにたどり着いているかをチェックするツールです。
・Google Analytics
Googleが提供する無料のWebサイト分析ツールです。
https://analytics.google.com/analytics/web/
・キーワードプランナー/サーチコンソール
Googleが提供する、自社のビジネスとGoogleでよく入力されるキーワードの接点を探すツールです。
https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/
・キーワードマップ
Webサイト分析に加えて、検索によってユーザーがどのような興味関心を持っているか、競合サイトの広告でよく利用されるキーワードは何かなどを分析可能なツールです。
・ミエルカ
AIによって売り上げにつながるキーワードや、現状ユーザーがどのようなコンテンツを望んでいるかを分析・予測するツールです。
コンテンツマーケティングプラットフォーム
企業ホームページやブログなどを比較的簡単に構築、実装できるツールです。
・ferretOne
BtoB企業向けのコンテンツマーケティング活動に特化したCMSプラットフォームです。コーディング知識不要で企業サイトを構築できます。
コンテンツマーケティングのご相談は土山印刷へ
土山印刷ではお客様の販促活動にまつわるお困りごとをフルサービスで解決しています。コンテンツマーケティングについても、自社で取り組んできた経験やノウハウを基に、あなたの会社の課題やお困りごとを解決できる可能性があります。
「コンテンツマーケティングについて詳しく聞きたい」「自社でコンテンツマーケティングを始めてみたい」といったご相談はお気軽に土山印刷へご連絡ください!
新しいブログ記事を公開しました:BtoB企業が製品カタログ制作時にやるべきこととは?【次の記事】
新しいブログ記事を公開しました:中小企業が「コンテンツマーケティング」に取り組むべき理由と、失敗しないコツ
最新記事 by (全て見る)
-
【新着情報】知らないと違法になるかも! 信書とは?
企業のダイレクトメールで気を付けるべき郵便法 - 2024年11月15日 -
【新着情報】年賀状で集客!?
ダイレクトメールで年末年始の集客力を高める方法 - 2024年10月31日 -
【新着情報】特色作製が安価・時短・確実に!
インキ調色システム「調色名人」 - 2024年10月18日