公開日: 2020年8月3日 - 最終更新日:2022年9月2日

土山式効果流:デザイン・マーケティング忍法万川集海①「はじめにデザインあり~デザインを考えるための術~」|マーケティングコラム

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土山印刷は100年に渡り、DMやカタログ、チラシを使ったマーケティングを行ってきました。
100年かけて連綿と受け継がれ、ブラッシュアップされてきたデザインとマーケティングの術は、ちょうど忍術のように秘伝となってきました。
しかし、これまで社外にはお見せしなかったマーケティング術を、特別に公開していきます!
甲賀流忍術の書『万川集海』ならぬ、土山式”効果”流のデザイン・マーケティング術、ぜひともご覧ください。

忍法その1:「はじめにデザインあり~デザインを考えるための術~」

デザイン! なんとハードルの高い言葉!

「デザイン」と言われると、Macintoshの前で専用のソフトウェアを開きながら唸るアーティストや、あるいはきれいに製図された緻密な平面図を書き上げる建築設計士が思い浮かびます。

しり込みしなくても大丈夫。デザインはそんな難しいことではありません。

……ええ、そんなことを言われても困りますよね。

どうやってデザインを考えればいいのか、それすらわからないのに「難しいことではない」と言われても、と思ってしまうでしょう。

でも、そうではありません。デザインは「考えることではない」のです。

 

まず、普段から使うルールを決めてしまう

デザインを作るときはまず、簡単なルールを決めてしまうことから始めます。

例えば、チラシ、DM、HP。すべて、共通した「デザインのルール」があります。

どの色を使うのか、どの書体を使うのか、どのように情報を配置すればいいのか。

人間の認知や心理に合ったルールが、長年の観察と実験ですでに発見されています。

そういったルールを知ったうえで、細かい部分をざっと決めれば、あなたがどうすればいいかはほとんど決まったようなものです。このルール決めがデザインの一歩目です。

それに従っていれば、あとはルールに沿ってパズルのように当てはめていくだけで、デザインを作ることができます。

 

名前の付け方を決める

次にやるべきことは、デザインを作る前に名前を付けるルールを決めることです。

名前の付け方を標準化することによって、作業をとても効率よく進めることができ、取り違えなどを防ぐことができるようになります。

たとえば、4ページ冊子の印刷物を考えるとします。

この印刷物の呼び方には、製品案内、リーフレット、パンフレット、ブックレット、カタログなどいろいろな表現があります。

ですが、この名前の呼び方を統一しておかなければ、自分がどういった仕様で何を作ろうとしているのかが分からなくなります。

さらに、作業を複数人で分担して行う場合、お互いの認識のずれから起こるひどい事故が起こりかねません。

わかりやすく、簡単な名前付けを行うことで作業効率を上げることができ、作業分担もやりやすくなります。

カテゴリ・案件名・作業者名などが明確になるように、名前を付けてみましょう。

具体的には以下のようなやり方があります。

  1. タグとして付ける(内容、企業名、プロジェクト、作成者など)
  2. 日付を入れる(作成、更新の日付、バージョンなど)

連番などの場合は「5」ではなく「05」または「005」などと桁数を揃えておくと、並び順の混乱を防ぐことができます。

簡単な全体像を作ってみる

時間をかけて完成形を最初から作ってはいけません。

なぜなら、時間をかけたものはやり直しがきかないからです。

デザインを作る場合、後から「もっとこんなふうにしてみたい」や「想定より印象が薄かったから作り直したい」という思いが必ず浮かんできます。

あるいは、誰かから頼まれてデザインを行う場合、「思っていたのとは違う」「追加でこういった情報を入れてほしい」などは必ず言われるものです。

必ず最初に「時間をかけずに、ざっと作った完成図」を見せて、そこから絞り込んでいく必要があります。

その上で「こうした方がいいかもしれない」という点や、依頼側の「こうしてほしい」を取り込み、ブラッシュアップしていく必要があります。

この「時間をかけずに、ざっと作った完成図」のことを、サムネールと呼びます。動画サイトなどではよく見るこの言葉ですが、意味することは同じです。要するに「一見するだけで中身がわかる、小さくまとまったもの」を用意する必要があるのです。

それを見せることで、自分の考えを纏めたり、依頼側とやり取りを行ったりすることがとても簡単になるのです。

どれだけ依頼側と話し合ったつもりでも、いくら考えたつもりでも、最初にできたものを見たら「思っていたものと違う!」というギャップは起こります。まずは、全体の簡単な図を作り、依頼側と自分の考えをお互いに理解しましょう。

 

忍法その1まとめ

デザインを決めるときのポイント

デザインを決めるときのポイント

では、具体的なルールは……

デザインをどうやって決めるのか、についてポイントは解説しました。

でも、そもそも最初に書いたとおり、「デザインのルール」がわからなければ、そもそも決まった道を見つけることは簡単ではありません。

次回、「いかにしてデザインを作るか~ストーリーとAIDAの法則の術~」から、順番にデザインのルールについてお伝えしていきます!

 

 

石山智男 略歴
1954年福岡市天神(中央区今泉)生まれ。1977年からプロダクションデザイナー、アートディレクターとして、広告制作、レタリングデザイン、パッケージデザイン開発等を担当。1992年からコカ・コーラ社マーケティングプログラムのガイド制作や実施活動支援を担当。「生産性の高い売り場づくり」実現のためのスペースマネジメントをカタログや店頭演出に応用した理論を構築。またクリエイティブワークをスピーディに行うための企業セミナーを開催。ブランディング領域でもイオンプライベートブランド「トップバリュー」のパッケージデザイン開発など多数。2012年から2022年まで、土山印刷にてマーケティングミックス・デザインワークのコーチングを担当。シニアホビーコンサルとして書道、楽器演奏、スポーツの楽しみ方の紹介活動を行っている。

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土山印刷株式会社は京都府に本社を構える印刷会社です。 土山印刷では紙の販促物を使って営業力を強化したいお客様のお手伝い・サポートを行っております。
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