弊社では6色印刷機の導入と同時にRGB印刷に取り組んでまいりました。当初は思うように印刷物が刷れず、試行錯誤を繰り返しながら今日に至っております。
昨今、私たちが日常生活で目にするものの中で、テレビの地デジ化を筆頭に様々な鮮やかな色が目に飛び込んでまいります。それだけ私たちの色を見る目が肥えてきていると言えるでしょう。
従来のCMYK4色の印刷物の仕上がりでは満足ができないとのお客様の声をしばしば聞くようになりました。CMYK4色の印刷の持つ再現可能な色領域は、RGBの色領域の約70%程度と言われており、RGB(6色)印刷による再現可能な色領域は本来RGBのデータが持っている色領域の約90%となります。
当社ではお客様のニーズにお答えするのと、より鮮やかな印刷を行うためにレギュラー4色(CMYK)+オレンジ+グリーンの6色でRGB印刷に取り組んでおります。
また、4色印刷で印刷機と製版のインクジェットとのCMS(カラーマッチング)を行っておりましたが、昨年、10色インクジェットの導入によりRGB(6色)印刷でもCMS(カラーマッチング)が可能になり、従来なら印刷機にて色校正を行っていたものがインクジェット導入によりRGBでのCMS(カラーマッチング)が構築され、色校正代わりにインクジェットにて確認ができるようになり、コストや納期におきましてもお客様に喜んでいただいております。
しかし、全てのものでRGB(6色)印刷での効果が得られるものではありません。
現物を忠実に再現するもの、イメージなのでより綺麗に仕上げたいものなどの中にもRGB(6色)印刷に向いているものと、不向きなものがあります。
この場合には、弊社からディレクターが出向き、お客様のニーズをお聞きして相談の上、4色か6色のどちらで印刷するのかを決めさせていただいております。また、4色印刷同様、色に対するお客様のご要望もありますので、RGB(6色)印刷におきましても製版でRGB画像に対する色修正も行っております。
次に今まで行ってきたRGB(6色)印刷の事例をご紹介いたします。
事例1 「金色の商品掲載のDM」
<フロー>
1.製版入稿 → 2.インクジェット出力 → 3.お客様確認 → 4.製版にて色修正 → 5.本紙校正 → 6.お客様確認 → 7.校了
<ポイント>
・1回目のインクジェット出力にて本紙校正時での精度をあげる
・時間、コストの削減
事例2 「花カタログ」
<フロー>
1.製版入稿 → 2.インクジェット出力 → 3.お客様確認 → 4.製版にて色修正 → 5.インクジェット出力 → 6.お客様確認 → 7.校了
<ポイント>
・時間、コストの削減
・初校、再校での安定を確保
事例3 「ジュエリーカタログ」
<フロー>
1.撮影(お客様)→ 2.数点の画像データをピックアップ(お客様)→ 3.テストインクジェットを出力 → 4.お客様にて確認 → 5.専用プロファイルを作成 → 6.製版入稿 → 7.インクジェット出力 → 8.校了 or 責了
<ポイント>
・撮影条件を合わすことにより、色修正時のコスト、時間が割愛できる
・実作業進行前の専用プロファイル作成により、実作業がスムーズに運ぶ
・専用プロファイルをつくることにより、品質が安定
・文字校正次第で色調は1回のインクジェットで完了する(時間、コストの削減)
6色印刷を初めて使っていただけるお客様には、ディレクターがヒアリングを行い、また、6色印刷をするためのデータ作成に対してのご説明もさせていただいております。
今まで6色印刷を使用していただいた全てのお客様から、評価をいただいており、6色印刷でのリピートや新しいお仕事もいただけるようになりました。
これからもCMSの精度を上げてRGB印刷の品質を今以上に上げるとともに、また新しい技術にも取り組んでいきたいと考えております。